2020.6.7(日)晴れ。
陽当たりでは暑かったが、樹林の中に入ると風が涼しく心地良かった。ブヨは朝の8時半~9時前後にうわーっと来たが、それ以外は大して気になるほどじゃなかった。耳スエ山からの西尾根下山途中、標高850m付近で昼飯を食ったが、風通しが良かったせいか、特に虫は寄って来なかった。
(この日、岡山市では最高気温が31.5度だった。)

新庄村の山は好きなのだが、どの山も「山の奥深さ」がない所が欠点か。
特に、野土路乢~シデコ峠の町村界や笠杖山の稜線を歩くと、県道58号を走るツーリングバイクの爆音が稜線まで響いてきて興ざめする。
「山の静寂、奥深さ」では新見の山か鏡野町か・・・。
いやいや、津山市か?


今日も家を出てから帰るまで、結局は誰とも出会わず。コンビニ、公衆トイレ寄らず。
完全三密回避。



2週間前の『耳スエ山⇒町村界尾根⇒野土路乢』山行で見かけた、コルから北西に下る【踏跡痕】。
(その「コル」とは、1007.2長谷倉山~北側の町村界90度左折地点の中間にある最深コルのこと)
今日はその【踏跡痕】の辿りつく先がどこなのか、果たして予想通り、谷を挟んだ北西側にある地形図表記林道の終点と連結しているのかどうか、それを確認するのが主目的。

時計回りで、最低でも耳スエ山まで歩く周回をイメージした。

「林道茂村耳スエ線」から、長谷倉川沿いに分岐北上する地図表記林道に入り、その後は色んな林道・作業道を乗り継いで、最終的に1060(高倉山)ピークの真南にある地図表記林道終点に到達する予定だった。その「終点」と「コル」とが踏跡(痕)で繋がっていると予想したので。

長谷倉川の北側、標高点899周辺には、地形図表記分だけでもかなりの林道が引かれている。それ以外にも、地図に無い作業道が無数に存在し、しかも今まさに延伸中であるというのは、最近の周辺への山行で見えた状況から予想がついていた。だから敢えて、工事が休みである可能性の高い【日曜山行】にした。


「林道茂村耳スエ線」の、耳スエ山登山口よりは少し北側。
路側帯の舗装部分が広くなっている所に駐車して歩行開始。
DSC_1592



先ほど車で走って来た道路を逆に戻る。途中、1007.2長谷倉山の頂上部が見える。DSC_1594長谷倉山全容



駐車地点から15分ほど歩き、長谷倉川沿いに分岐する林道へ。
DSC_1595林道口


林道に入って少し行った辺り。
DSC_1596
このすぐ先に軽ワゴン車が駐車していた。『林道工事の関係者だったら気まずいな~』なんて思いながら、車の横を通過。通過した直後、ちょうど林道の地図表記が「破線」に変わって右カーブする所。ここで新たな掘削道が左に長谷倉川を渡ってその先に続いている。『ひょっとしたら794の東際を通って、北側にある地図表記林道へ合流するショートカット道か?』と予想した。
『地図の破線道を忠実に辿るか?』
(「破線」は下草の茂る廃作業道だったが、歩くのには特に支障がない程度。)
『それとも、この新掘削道に入ってみるか?』
ここで選択したのは新掘削道。さっきの車の持ち主に出会う確率が低いと見たので。



新掘削道に入り、長谷倉川を渡渉した所で振り返る。
DSC_1597破線分岐

ここ以降、標高点899の南東直下で地図表記林道に出合うまでの区間が、
今日の記事のお題、「作業道たらい回し」




さっきの長谷倉川渡渉地点から、掘削道をちょっとだけ進んだら左に分岐。
この分岐は左折せずに直進したが、すぐに行き止まりとなったので分岐まで戻った。
(分岐に戻ったあたりで撮影。)
DSC_1598


気持ち的には長谷倉川の右岸沿いを進みたいのだが・・・
新作業道はその通りにはなかなか進んでくれない。
進んでは行き止まり、また行き止まり、を数回繰り返す。
途中、見上げると長谷倉山1007.2山塊。
正面奥に鉄塔が見える。多分町村界が90度左折する辺りじゃないかな?
DSC_1599



最終的に選んだ作業道は、794標高点の真南100m手前で結局終点となった。
でもここまで来たなら、もう今更元には戻れない。
とりあえず794を経由して、向こう(北北東)側で地図表記林道に合流することにした。
終点から標高点794まで、ヤブはほとんど無し。794で振り返る。
DSC_1601標高点794



左下に別の作業道が見えるが、ヤブが薄いのでそのまま尾根上を進む。
DSC_1602


コルまで下りたが、すぐ先に有るはずの地図表記林道はヤブが深くて見えない。
やむを得ず、とりあえず左側へ、並行していた作業道に出た。
DSC_1603
この古い作業道(地図表記無し)を数十㍍進むと、地図表記林道にやっと合流した。
合流後は、左折して地図表記林道を次の分岐(899の西南西で出合う分岐)まで進み、そこで右折すれば、その先は以前にも歩いたことがあるので不安なし。でもせっかくなので、ここは右折して、いったん「地図破線Uターン箇所」まで様子を見に行ってみることにした。
でも、この『せっかくなので・・・』が。
更なる『林道たらい回し』の洗礼を受けるきっかけになるわけなんだけど。



「破線Uターン箇所」までの林道は、多くの作業車両に踏まれてしっかりしていた。
Uターン箇所まで来ると、北に向けて地図に無い新作業道。それに少し入って振り返る。
さっき歩いて来た794ピークが見える。
DSC_1606破線Uターン

画像中の黄色線を右側から歩いて来た。朝、地図上破線を素直に歩いていれば、あっという間に何の苦もなく黄色線の左部分から出て来ていたはず。
そして更に。
この画像の撮影地点、北に延びる新掘削道。
『これを北に行ったら、ショートカットできるんちゃうん!?』という浮気心。
これが自分の性格の最大のウィークポイント。
以降、複数回、作業道終点、行き止まり、後戻りの繰り返し。
斜面這い上がりで上の段の作業道へ、も織り交ぜて・・・

そして、最終的に899標高点の南東側で地図表記林道にどうにか合流。
ショートカットをもくろむ愚か者、結局はタイムロスに終わる。
※國六さんの所有林でよく見かける看板、「立ち入る際は許可をとって・・」は今日は一度も見かけなかった。多分、そもそも林道の入口(長谷倉川)が普段人の立ち入らない場所だったからだろうけど。今日が日曜でなく平日だったら、絶対に作業者に怒られる。もうやめとこっ・・・


899の北東、地形図表記林道の三差路まで来た。そこを右折して振り返る。
ここまでにショベルカーを3台見た。平日は今まさに新規作業道延伸途上みたい。DSC_1607三差路



1060(高倉山)の南西付近。
鉄塔巡視路への連絡路は複数あるが、その入口としてはここが最東端。
ここに至る少し手前からは路上に下草が目立ち始める。
ということは、工事車両はここまでは入っていない。
DSC_1609巡視路口

ここから先の林道、更に、劇的に林道のヤブ化が進行する。
ただ、ヤブ漕ぎになるほどではなく、濃い場所でもせいぜい手で搔き分ける程度。DSC_1611林道ヤブ化



目指す場所、林道終点までどうにかやって来た。
位置的に地図表記の終点部とほぼ一致している。
さて、終点から更に先、この先へ続く小径など、予想した通りにあったのか?
残念ながら予想はハズレ。
谷を跨いで町村界のコルに至るような、そんな道は全く無かった。
完璧にここで行き止まり。

DSC_1613林道終点
終点から真正面への強引突入は、木の枝が横に張っているのでちょっと厳しそう。
右側から一気に谷へ下る選択肢もあるかと、ちょっと踏み込んでみたが、斜面が急なので止めた。


やむを得ず、振り向いて少しだけ(15~20mくらい)終点から後戻り。
そこからヤブを掻き分けて左側の植林斜面へ入って見ると・・・
意外にもヤブが薄く、斜度も降下できる範囲内。
この斜面を一気に谷まで下ってみることにした。
DSC_1614


谷まで下った地点より。ここは長谷倉川右俣の源流付近か。水流はかなり細い。
数十メートル範囲で上下流へ行ったり来たりしてみたが、やはり踏跡痕らしきものは無し。
適当にヤブの薄い斜面をコルへ向けて登り返す。
DSC_1616沢出合


コルに到達する直前で、左側にかつての踏跡痕と思われる筋を確認。
そちらへ移動し、その筋に沿って北西方向にしばらく進んでみた(下り基調)。
途中、イノシシの寝床らしき場所があったので、動物はそれなりにここを通過するみたい。
最終的に、太く錆び付いた鉄のワイヤーが転がっているのを見かけた先で踏跡痕はヤブに消えた。
DSC_1617踏跡消える
ワイヤーが転がっていた、ということは。
『過去にはここに間違いなく小径があった。』と言う事。
かつての踏跡、今は昔。
残念だったけど。妙に納得。答えが出て、妙にスッキリ。




踏跡痕が消えたところで方向転換、筋をそのままコルまで辿り、町村界のコル出合。
DSC_1618長谷倉北コル

これより先、耳スエ山までの町村界は、2週間前に歩いたばかり。
何の不安も無し。ゆったりした気分で、若いブナの自然林を堪能しながら…
DSC_1620
途中、物凄くでっかいスズメバチがすぐ脇を飛んで行ったのにはビビった。



長谷倉山1007.2のすぐ手前あたり
DSC_1621長谷倉手前


長谷倉山頂上の三角点
DSC_1623長谷倉


長谷倉山の頂上部は西に向けて長く伸びている。
『もしも最西端のピークの方が標高が高かったら?』
長谷倉山の頂上に立ったことにならないので、この際、最西端まで行ってみることに。
薄い踏み跡があるような無いような、高低差少ない尾根筋を西へ・・・


最西端のピーク手前付近。
DSC_1624西ピーク手前


西ピークの最高点付近。展望なし。特に石柱も何もない。
プロトレックの高度計で見る限り、西ピークの方が三角点ピークより1mほど低かった
DSC_1626長谷倉西ピーク


再び三角点まで戻り、町村界を南下して耳スエ山を目指す。



耳スエ山とのコル付近を過ぎた辺りで振り返る。
DSC_1629鞍部過ぎ



更に進んで。
この辺りから耳スエ山の頂上直下までが、シデコ峠~鳥居乢までの稜線間では最高の樹林だ。
DSC_1630

頂上直前。
DSC_1633頂上直前


耳スエ山頂上。
本来は一城頭まで行きたかったが、前半で時間をかけ過ぎた。
15時半までに帰宅したかったので、今日は写真撮ってすぐに下山開始。
DSC_1635耳スエ頂上


刈り込まれた登山道を西に一気に下ると、頂上から3~4分で標高1050m付近。
右(北)側から作業道が伸びてきて、登山道にぶつかって終点となっている。
DSC_1636H1000付近
このあと、更に標高1030m、1000m付近でまた作業道が右からやって来る。
その後、標高910m付近で今度は左(南)側から作業道がやって来るまで、特に何も起こらない。


その、左から作業道がやって来る標高910m付近。
間伐と作業道横断により、以前に比べて尾根がずいぶんと明るくなった。
左正面に笠杖山、右に金ヶ谷山。
DSC_1639H900付近
その後も何度か作業道が尾根を横切る。
横切る所で法面の段差があって下りにくい場所があるが、
テープナビが、段差が少なく降り易い方へ導いているのでテープに従えば大丈夫。


標高850m付近(?)で振り返る。ここで昼飯にした。
直射日光が当たると暑いけど、木の陰に入れば風があってちょうどいい。
DSC_1641間伐尾根



休憩後、更に下ると舗装道路(林道茂村耳スエ線)が下に見えてきた。
ここからは右の作業道を真っ直ぐ下れば道路が近い。
DSC_1642道路出合手前
道路出合から数分歩けば駐車地点。




備忘録のための今日のアバウトルート。
赤が軌跡だが、線は超適当。
手書きの作業道も、あくまでもイメージ、適当。
新作業道は全部書いてない。まだまだまだたくさんある。
2020.6.7長谷倉~耳スエ図
7:45駐車地点  8:00長谷倉川林道口  8:05破線の手前で左の作業道へ
8:35標高点794  8:50破線Uターン部  9:40標高点899北の地図林道三差路
9:50最東端の巡視路連絡口  10:08林道終点  10:20沢出合
10:45町村界のコルに出る  11:13長谷倉山1007.2  11:20西ピーク
11:30再び長谷倉山1007.2  12:20耳スエ山  下山途中で昼飯は今日も焼きおにぎり
13:05道路出合  13:10駐車地点


個人メモ:
今日の水分量は1.5㍑、靴はガルモント26.0、今春以降は毎回ジオラインフェイスガード
カリマー lancs 28 初使用。
車での往路181号、頭のおかしな鳥取Number車。